ゆけむり紀行

2014.4/9

広くて豪快!白濁の露天は混浴

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混浴露天風呂

 黒川温泉街といえば、のんびりとした田舎の風情、自然と一体化した露天風呂のたたずまいなどがクローズアップされることが多い。が、ここは知れば知るほど奥が深い温泉地。なんと、全旅館が自家源泉を保有している温泉天国でもあるのだ。湯量の多さはもちろんのこと、泉質の多彩さにも驚かされる。
「単純泉」「二酸化炭素泉」「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」。大別される9種類の泉質のうち、7種類が存在するというのは全国でも珍しい。これ、意外に知られていないトリビア的な情報かも!?
 今回はそんな温泉天国・黒川らしい露天風呂を持つ「瀬の本館 夢龍胆」を紹介したい。
 1階のフロントでチェックインを済ませた後、すぐさまお風呂へ向かう。エレベーターにのって1階へ・・・ん!?なるほど、斜面に立っているから1階と思ったフロントが3階だったのか。ナハハ。足湯、男女別の内風呂、女性専用露天風呂、そして混浴の露天風呂に川沿いの貸切風呂、はたまた岩盤浴と、館内だけで十分にはしご湯が楽しめる。
というわけで、目指すはもちろん、混浴の露天風呂。ここでの「もちろん」は混浴にかけているわけではなく、露天風呂にかけてるので、お間違いなく。でもまあ、混浴の可能性はゼロではないのも事実で・・・。いやいや、言い訳がましい解説や、ありもしない期待感はさておき、入浴することにしよう。
 筑後川の源流でもある田の原川沿い、そして20人は漬かれる浴槽の広さ、巨岩を配した豪快な造り。うん、これぞ黒川温泉の露天風呂である。温泉がうっすらと白濁しているのもいい。ゆっくりと真ん中あたりに腰を下ろす。「ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉」という濃厚な温泉を毛穴にすり込みつつ、気持ちよさをかみしめる。
最近は肩こりがひどい。湯船に漬かったまま、肩を回したり、開脚したり、軽いストレッチで血行を促す。しばし、夕暮れどきの空を眺め、温泉成分が体に染み渡るのを連想しながら、濃厚な良泉を堪能した。
いつもよりのんびりと漬かったのは、時間を稼いで混浴を期待したわけではない。それだけは付け加えておこう(くどいけど)。
<西スポ2014年4月2日(水)掲載「花田伸二のいい湯だな」より>

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川沿いの家族風呂
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女性専用の大風呂
  • 【スタンダード 自慢の創作会席プラン】
  • ●黒川温泉でも料理がおいしいと評判の「夢龍胆」。料理長が腕によりをかけ、一品一品丁寧に作る会席料理が堪能できるプラン。4種類の貸切風呂や天然ミストのサウナも無料で利用でき、エステやマッサージなども利用可(別料金)。間接照明やシックな色使いで落ち着いた雰囲気が漂う館内で、静かなひとときが過ごせる。
熊本県・黒川温泉「瀬の本館 夢龍胆」

【住所】熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6430の1 【TEL】0967-44-0321
【HP】http://www.yumerindo.com/