ゆけむり紀行

2014.3/12

とろ~りまるで美容液!優しいお湯にムフフ…

id457_01
湯の蔵の露天風呂

つい先日、同じ温泉ソムリエの友人と一杯やった。もちろん、肴(さかな)は温泉の話題。夜7時半から息つく暇もないほどの熱すぎる湯けむりトークは、あっという間に深夜0時を回ってしまった。その席で「私の肌はpH値をほとんど感知できるんです」と豪語されたのを思い出し、負けてはいられないと闘魂注入。己の肌の感覚を試すべく訪れたのが、平山温泉「湯の蔵」だ。

宿に到着したのは午前9時55分。早くも計6人の男女が玄関前に整列しているではないか。10時のオープンと同時に一目散に「殿方」と「御婦人」ののれんをくぐる。その様子を目の当たりにしたせいか、急ぐ必要性がなかった私も支配人にあいさつ後、なぜか急ぎ足で男湯へ。すでに内湯で気持ちよさげに湯あみ中の男性陣を横目に露天風呂へと進む。露天風呂はこの日の一番風呂。かけ湯の段階でお湯の柔らかさを体感できる。湯口から少し離れた場所に陣取り、浅めの浴槽にゆっくりと腰を下ろす。温泉に身を沈めて約3分、体全体に染み渡るぬくもり、肌ざわりなどなど、温泉の心地よさが染み渡るぬくもり、肌ざわりなどなど、温泉の心地よさが染み渡るこのひととき。「はぁ~」。何度体験しても、筆舌に尽くしがたい快感なのだ。

まるで美容液に漬かっていると錯覚しそうなほどにトロみのある泉質は、九州の至宝と言っても過言ではない。あっ、またしても美肌湯チョイス!ひとりニヤけながら、二の腕や肩、体中にまんべんなくなく温泉成分をすり込もうとなで回している自分に気いた。さて、冒頭のくだりで述べた己への試験、pH値の体感値は!?9.8くらいかなぁ。

そんなことを考えていると、先客の男性が露天風呂へお見えになった。「よくいらしゃるんですか?」「しょっちゅう夫婦で通ってるよ。ここの一番風呂は最高だね」。聞くと、周辺の温泉はくまなく回ったそうだが、最近は夫婦でここの一番風呂に漬かるのが習慣化しているという。お気に入りの理由はカンタン。「泉質とお湯の清潔さ、そしてスタッフのおもてなし」だとか。この常連さんにとって「湯の蔵」は、最後に行き着いた楽園なのだろう。ちなみにこちらのpH値は、9.81。「正解」ということでよろしいでしょうか。ムフフ。
<西スポ2014年3月5日(水)掲載「花田伸二のいい湯だな」より>

id457_02
客室の露天風呂
id457_03
湯の蔵宿泊棟外観
  • 【日帰り情報】
  • ●営業時間:10:00~22:00 定休日:第2火曜日
  • ●料金:大人700円・小人400円(休憩・入浴料込み 大広間利用)
熊本県・平山温泉「お宿 湯の蔵」

【住所】熊本県山鹿市平山5255-2 【TEL】0968-43-4070
【HP】http://www.yunokura.jp/