ゆけむり紀行

2014.1/12

カニッ食べ行こう~♪腹を満たして極上露天へ

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竹崎カニの姿ゆで、まさに王者の風格だ

「カニッ、食べ行こう~♪ハリキッて行こう~♪」太良竹崎温泉へ出向くときは必ず、心の中でPUFFYのこの曲を口ずさむ。そして、キャラメル気分に包まれる。齢(よわい)51、シアワセである。それはさておき、カニという食材が持つ魅力には絶大なるものがある。今回は、甲殻類に目がない私が満を持して、佐賀県は太良町の太良嶽温泉「蟹御殿(かにごてん)」を紹介させていただく。

福岡市から長崎自動車道・武雄北方インター経由で約2時間、途中、有明海の爽快な景色を眺めつつ到着した。出迎えてくれたなじみの面々への挨拶もそこそこに、朝食抜きの私が一目散に向かうのは食事処。竹崎膳コース(5250円)を注文し、ようやく窓の外に目を向けた。有明のりの養殖に使う竹が整然と並ぶ干潟、その景色を眺めていると、程なく新鮮な刺身や小鉢が運ばれてくる。その後、いよいよ真打ちの登場だ。オレンジ色に染まり、全身から湯気をなびかせた竹崎カニの姿ゆで。目の前にドーンと居座るさまは、まさに王者の風格だ。ちょっぴり横柄ではあるけれど、ホレた弱みか、拍手でお迎えしてしまう齢51。好きなものは最高のタイミングで食すのが、私のルール。早速、ふんどしをむいて甲羅をはがす。かにみそがトロ~リと出現。これこれ、これである。二つに割って、人間でいうなら小指の脚を付け根の身ごと引きちぎる。一番大きな身が付いている希少な部分だ。これを甲羅のみそに浸しながら、ゴクッ、・・とほおばる。うん! 期待を裏切らない、これぞ竹崎カニだ。上品な食感、絶妙な味と風味、そして、かにみそという最高のソース。いっそのこと太良町に住み着いてやろうか、と思うほどおいしい。カメラマンを同行したが、2人とも食事中は無言で、モグモグと平らげた。ふ~っ。あれだけの品数(至極の12品)があっという間に胃袋へ。

膨らんだおなかが落ち着くまで休憩し、貸し切りの露天風呂へ。干潟の上空を悠々と舞うトビや、汽笛を鳴らしながら航行する船を視界に入れつつ、ゆっくりと浸かる。湯船で満腹のおなかを抱え、さて次回はいつ来ようか、と夢想しながら取材の幕を下ろした。
<西スポ2013年9月18日(水)掲載「花田伸二のいい湯だな」より>

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有明海の恵みを味と量で堪能できる竹崎膳
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屋上露天風呂からは、この眺め!
  • 【日帰り情報】
  • ●大浴場/営業時間:11時~22時30分 料金:大人500円・小学生300円・幼児200円
  • ●貸切露天風呂/営業時間:11時~22時 料金:1時間1500円~2000円
  • ●日帰りプラン「竹崎膳コース」昼食+大浴場入浴 5,250円
佐賀県・太良嶽温泉「蟹御殿」

【住所】佐賀県藤津郡太良町大字大浦乙316の3 【TEL】0954-68-2260
【HP】http://www.kanigoten.com/