ゆけむり紀行

2014.1/18

少年時代に戻って密林へ日帰り探検!お風呂がジャングルグルグル…

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グリーンが青々と茂った「ジャングル風呂」

ファッションほどの短いサイクルではないが、温泉にも時代に応じたブームがある。25年ほど前に訪れたのは黒川温泉が火付け役となった露天風呂ブーム。それからというもの貸し切り風呂、貸し切り露天風呂、客室露天風呂・・・と、旅行形態のプライベート化に伴い、そのニーズも変遷してきた。この辺りはなんとなく、お気づきの向きも多いかと。しかし、何を隠そう、それ以前にも温泉旅館業界に一大ムーブメントを巻き起こしたお風呂があった。その名は「ジャングル風呂」。うわっ、活字にしただけで懐かしか〜。

福岡から車で約40分。鶴が湯あみをしていたことが名の由来とされる原鶴温泉の老舗旅館「泰泉閣」には今なお、その名物温泉が存在する。今回の目当てはコレ。さっそく大人日帰りプランを活用した。「花かご御膳」を個室で味わえ、温泉入浴もついて税込2625円というお値打ち価格。女性客に人気なのも納得だ。

実はこちらのジャングル風呂、子供の頃に家族旅行で訪れた思い出の風呂でもある。浴場内は熱帯地方の密林をイメージしたジャングル風。1970年代後半から、少年たちの目をくぎ付けにした伝説のテレビ番組「川口浩探検隊」よろしく、毒ヘビや毒グモ、底なし沼への恐怖を感じながら、点在するお風呂をはしごしたのを鮮明に覚えている。

昨今、人気の露店風呂の特徴は、自然と一体化した風情や風景。でもこちらは、なんたってジャングルなのだ。スケール感が違って当然。生い茂る樹木はトロピカル、それでいてオブジェはローマ時代さながらの石像とくれば、逆に新鮮さすら感じる。

広い浴場内の最も大きな浴槽から入湯し、いつもながらの幸せな吐息とともに湯に漬かる。辺りを見回し、密林に潜んでわが命を狙う猛獣がいないことを確認。しばし、昔の家族旅行に思いをはせ、ゆっくりと手足を伸ばした後、探検隊の気分で他の浴槽を目指した。ジャグジー風呂、滑り台付きの風呂、隠れ風呂、洞窟っぽい雰囲気の風呂、階段を上った2階にある風呂やサウナまで。ドキドキしながら全浴槽を完全制覇!こみ上げてくる妙な達成感に酔いしれる51歳、師走の一コマであった。
<西スポ2013年12月18日(水)掲載「花田伸二のいい湯だな」より>

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花かご御膳
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ジャングル風呂内の「すべり台湯」
  • 【日帰りプラン情報】
  • ●昼食(花かご御膳)+入浴付き日帰りプラン:2625円
  • ●ご利用時間:11時〜15時
福岡県・原鶴温泉「泰泉閣」

【住所】福岡県朝倉市杷木志波20 【TEL】0946-62-1140
【HP】http://www.taisenkaku.co.jp/